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「Reincarnations」の解説

このコレクションは2017年ー2020年までの作品のセレクトした集めです。聴く度に、自分の歴史を強く感じますので、曲毎の解説を書くことにしました。

REINCARNATIONS (VOLUME 2)

 

1曲目:World of Flux (Nami no sekai)

 

波の世界。これは2019年に東京に来てから作った曲です。当時よくお世話になってたライブハウスのマスターさんのチャレンジから生まれてきた曲。「マークの日本語で歌っている曲を聴きたいな!次のライブを出演するまでには日本語歌詞のオリジナル曲を作ってみたらどう?」とのことで、僕がこの曲を早速作ったのです。が、実は最初のバージョンのアレンジがこのバージョンと全く違って、もっとワールド的なファンキービートの強い民族的な曲でした。しかし、実際に当時ライブでやってた音楽の特徴はもっとノイジーで激しくて、最初のアレンジだとスタイルが合わないかなと心配し、ノイズを入れて、もっと激しいアレンジにしてみたら、このバージョンとなったのです。前のミックスはどっかにあるのかな。まず、これが完成版。ライブで数回やったことあるし、PVもあります(アニメーションは宇田川岳夫さんが作ってくれて、僕が編集を行った映像です)。2020年に福岡でやった「誕生日ライブ」の時にこの曲をオープニングにしたし、2020年3月にも東京でもう一回演奏。

 

2曲目:The Frayed Feather(Remix)

 

この曲のオリジナルバージョンは今年の12月に出るリリースには入りますが、このバージョンは別ミックスです。少し中途っぽかったりする個性のあるバージョン。「羽」というイメージが何故か当時自分の頭の中には浮かんできて、羽の写真をジャケにしたいなと思うと、不思議に実際に周りにあっちこっちに現れてきたりして(写真、ジャケもできて)、そして歌詞の「I could no longer sing」(もう歌えなかった)というところの意味・理由があの時に声が風邪でガラッとなってて、歌えなくて初めてのインストアルバム「Empathy」を作り始め、この曲を録音して歌った時は声の治りかけてきたばっかりのところで、その歌詞が口から自然と出ました。

 

3曲目:The Knife, It Wavered (for Brian Evenson)

 

このトラックのタイトルはブライアンイーブンソンの書いた作品(短編集、そして短編小説の名前)「The Wavering Knife」から来ているタイトルです。イーブンソンの哲学的なホラーの短編集を発見したのはアメリカのコロラド州に住んでいた時で、短編集を読んだらとても印象的でした。そして、数年後にイーブンソンと大学院のMFAライティングプログラムで彼の生徒(大学院生で)として勉強ができ、数年後に日本の福岡にてこの曲を捧げる気持ちで描いたのです。元々「Red, My Dear」というアルバムに登録していたのですが、数年出版されてないのでこちらのコレクションに入れました。

 

4曲目:Heaven (Wanna Go Now)

 

この曲はなんのアルバムのために書いたかはもう覚えていないですが、このミックスはオリジナルのアレンジと若干違うと思います。歌詞が未だに聴くと少し気持ちが悪いというか、怖いというか(笑)。「今すぐ天国に行きたい!」というボヤが、お母さんに頼むコーラス。「ママ、もう天国かな?」とかもいう。この歌詞を書いたときの自分が何を考えてただろうね!!

 

5曲目:Laughing Moon

 

曲名「Laughing Moon」は結局プロジェクト名として使ったのですが(2017年からの三人のエレクトロニカとブルースプロジェクト)、曲自体は特に「名曲」とは思いません。が、なんだかこの曲の個性が面白いなとは思いますよ!「Laughing Moon」というタイトルが安部公房の書いたエッセイ集「笑う月」の英語にした直訳なんです。だから妙の世界に表すのかも知れない。最初から自分の偽物っぽい大笑いと、なんとなくハッピーな(?)感じなアップテンポ的なビートと歌い方なんだけど、それとともに何かの「ズレ」を感じさせるような不思議な曲調があるかと。サーカス的というか、自分でもわからない不思議さのある曲です。

 

6曲目:Raging Storm(Remix)

 

このバージョンがピアノのメロディーの入ったアレンジのショートリミックス。なんだろ。好きだったので、そしてなんとなくこのコレクションには合うと思って入れたわけなのです。少しBサイドっぽいリミックスかも知れないね。

 

7曲目:Days Gone By

 

これも不思議なアウトテイクです。2017年あたりにまだ前のバンドのことに少し引っかかり、「Days Gone By」というバンドでやってたオリジナル曲の再アレンジして入れたアルバムのタイトルトラックとして作ってた「新曲」(当時の)だった。結局アルバムを完成し、CDを数枚作ったのですが、入ってた曲をバラバラのリリースに配り、この曲をリリースするのが初めてとなります。

 

8曲目:I Don‘t Feel

 

2018年に「Digital Errors」というインダストリアルロック的なオリジナルアルバムを一週間弱ぐらいにバンバン激し目なエレクトロニック曲を作って行って録音し、最後の曲が「I Don't Feel a Thing」というカオス的なアレンジが登録していました。その曲を元にして、全く別アレンジした結果がこの曲です。これより優しいサウンドバリエーションのトラック「I Feel」が「feat. Pianoman Darrell」で「Ephemeral Confluences I」というコンピレーションに登録されています。

 

9曲目:He Wanted to Leave

 

これも同じく「Digital Errors」というプロジェクトよりの使われていない・今までリリースしていない別ミックスとなります。激しくて、少しインダストリアルフレーバーな曲。

 

10曲目:The Last Time

 

激しいドラムループがオリジナルミックスと同じですが、後からノイズを入れたミックスとなります。オリジナルとまた別のミックスも作ったのですが、もう出版はされていないです。このバージョンのボーカルが少し聴きにくかったりすると思うが、それはわざとです。苦しい思い出の曲なので、これ以上は解説できない。すみません。

 

11曲目:City of Masks

 

僕が2014年からボーカリストとして福岡での初めてのバンドに入り、アカペラで曲づくりをし始めた(ギターもキーボードも当時弾けなかったのでコンポーズはアカペラでしかできなかった訳です)。バンドのギタリストがゴリゴリ80年代っぽいロックアレンジにし、ライブで演奏。2014年のハロウインにドンキホーテで半仮面を買い、あの後からステージで被って歌ったりした。福岡に初めて来た時に(2011年に)「City of Masks」という短編を書いて(マスクをしてた人が多いのを気づいて、ダークフィクション的にした短編となった)、その短編を読み直してからこの曲の歌詞を書き、メロディーをつけ、ギタリストのアレンジでバンドで一年ぐらいこの曲をやり続けた。これは2018年にソロのための再アレンジした曲で、2020年に東京にきて、コロナ禍が出た後にリバイブしてノイズを追加したバージョンとなります。PVも作ったのですが、HateBurnPushBreakと同じく、現在Vimeoのみで観れます。コロナ禍(マスクだから)がテーマで。

 

12曲目:Deceptive Glass

 

City of Masksはファーストバンドでやっていた曲ですが、Deceptive Glassはセカンドバンド(自分の組んだバンド)で演奏してた曲で、後々から自分のギターアレンジを捨てて、完全にヘビーエレクトロニカにした電子的なアレンジのソロバージョンです。これも2018年ぐらいだと思います。再発見したのはすい最近で、あっ、このバージョン面白いな!と思ってこのコレクションに追加しました。

 

13曲目:The Broken Chair

 

これは初めてのインストで作ろうと思ってたアルバム「Empathy」のために作り、オリジナルアレンジがボーカルレスで、代わりに勅使河原宏の「砂の女」という映画(安部公房の小説のアダプテーション映画)のサンプルを入れていたけど、著作権の問題が起こらないかとの心配で声が回復して来たらボーカルを入れ、このバージョンとなりました。「壊れた椅子」って何を示すでしょうか?リスナーの解釈次第かな。

 

14曲目:Property for Sale

 

怒りのノイジーなインストです。もうどうでもいい話から生まれたのですが、曲自体がカッコいいと思って追加となりました。

 

15曲目:The Lights Went Out

 

では、最後の曲となりますね、このコレクションの30曲目で!「光が消える」という意味なので、コレクションが真っ黒で終わるのですね。でも、去年の4つの連続しているアルバム(Tetralogy:4部作)のテーマは「希望」や「太陽がまたやってくる!」とかだったので、コントラストの感じる方もいるだろうし、それとまた今年の最後に作った4部作「Six Symphonies for the End of the World」(世界の終わりの6つのシンフォニー)もあります。今年はまた光のない世界となってしまったみたいですね、残念なことに...

 

いつも僕の音楽のテーマやサウンドはなんなのかと聞かれたら「陰と陽」と答える僕が嘘つきではあるまい。

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